story
夏は終わり 秋が訪れ
冬を過ごし また春が来る。
アコルドゥとは単に場所や店の名前でなくその概念、世界観の総称です。
その入り口であり、出口であるアコルドゥは、
どこからでもその世界に思いを馳せることができます。
2008年
大正時代に建てられた変電所跡、古いレンガの建物で奈良・富雄の街に始まったアコルドゥ。
『トキ』を経た店内、高い天井、寒い冬に火を灯す暖炉、明るい日差しのテラス。
そんな時間と記憶を感じさせる古い館で提供される『モダン・スペイン』という
新しいスタイルの料理と概念の噂は瞬く間に広がり、沢山のゲストに愛されました。
2014年
その良さでもあったビルの老朽化により閉店。
一度皆様の“記憶”となりました。
2016年
歴史ある土地、奈良公園区域内にして東大寺旧境内跡地の水門町
一度、記憶となったアコルドゥは再びその姿を形にしました。
今、表紙を開き、ページを捲りながら、
アコルドゥという物語の上を私たちは歩き続けて行きます。
「akordu」…記憶・バスク語
物語materials
ヒューマン・テロワール
“地産地消” アコルドゥを表現する時によく用いられる言葉。
単純に、その土地でできたものをその土地で食べようと言う事では無い。
どこで作られたかではなく、誰がどのような思いで作ったのか、
その素材が、どのような背景と時間の流れの中で生まれ育ってきたのか。
そんな事に思いを寄せて、私たちは自分たちの生きる環境を愛し、
人と素材、料理に向き合っています。
地に根ざしてそこで生きてゆく人々と、そこから作り出される素材。豚や牛や鶏や鴨。自分達が生み出したものが一番だと信じている。
しかしながら、皆常に何かを思い、常に改良しながら昨日よりも一つ先に進む。
情熱と優しさ、プロ意識と思いやり。
料理は人そのもの。
素材だけでなく、その想いまでひっくるめて頂く。
作り手のピュアさが、素材の美しさ、美味しさに繋がる。『アコルドゥの料理は綺麗ね』と言われる。それは素材と料理の内面に含まれているものが美しいから。人も果物も野菜も、自然もすべてに生涯がある。
旅人nomad
私たちはたくさんの自然や人と出会い、
彷徨うように世界を見つめます。
奈良に生きる自分たちと、
地と時を思う皆様の心をリンクさせながら、
手に届く豊かな素材をもとに
料理という形でストーリーを綴ります。
川島 宙 - Hiroshi Kawashima
- Owner Chef
1971年8月19日 東京生まれ
大阪 辻調理師専門学校卒業
1999年 東京・ホテル西洋銀座入社
その後、東京ホテルオークラレストランサービスを経験。
神奈川「麻生ガーデン」、京都センチュリーホテルなど関東・関西のホテル、レストランを経て、新たな方向性を求めて33歳にしてスペインに渡る。世界ベストレストランのひとつである、バスク地方のレストラン「ムガリツ」に入り多大な影響を受ける。
本来はパティシエであり、今はマダムとしてサービスを担当する妻「友紀」と共に2008年6月レストラン「アコルドゥ」を開業。 2014年 大正時代の変電所跡である店舗ビルの老朽化でアコルドゥ閉店。
大阪・ダイビル本館にドノスティア、奈良・東生駒にアバロッツを運営。現在に至る。
川島 友紀 - Yuki Kawashima
- Madam
奈良県生まれ
大阪 辻製菓専門学校
大阪 辻調理師専門学校卒業
大阪 レストラン エプヴァンタイユ
大阪 パティスリー「なかたに亭」など名店でパティシエとして学ぶ2008年、奈良 富雄にて、川島と共にアコルドゥをオープン。以来、マダムとして多くのゲストをもてなし信頼を得る。
現在はレストランパティシエとして腕を振るう。
宇宙microcosmos
アコルドゥは過去を振り返り。
そして未来へ飛び立ちます。
私たちの思考を表現し、無限に広がる場所。
この箱は、まさに小宇宙。